冷え取りを実践するにあたって
治療をうける意味
真に冷え取りを実践するというのは、単に靴下重ね履き、半身浴などをするということではなく『自分本位をやめて(動植物、無生物を含めて)、他人本位の生き方をする』『真理を追探し、それに則った生き方をする』ということです。
進藤先生の名言をいくつか見ていきましょう。
・下に厚く、上に薄く、体も世の中もこれで健康
・心の歪みが『冷え』を呼ぶ。『冷え』が万病を呼ぶ
・楽しみも安らぎも求めるものではない。正しく生きていれば与えられるものである
・苦を避ける者は苦に追われ、病を恐れる者は病に絡みつかれる
・善悪一如。差は対応にあり
・花のみを褒めるは花を知らぬ人。土ありてこそ花ありと知れ
・才能は自慢や金儲けの材料ではない。世の為に働く道具である
多分、真理に則った生き方をしていたら、勝手に、靴下重ね履き、半身浴などになっていたということだと思います。
僕自身、まだまだ心が冷えているので忘れた頃に見返すと胸にグサッとくる言葉があったりします。
つまり、本当に変えなければならないのは心(価値観、人生観)なのです。
が、多くの人にとって、これがなかなか難しい。
中には、なるほどと素直に納得し、淡々と実行し、医者から奇跡と呼ばれるような結果を出している人もおられますが、残念ながら、全員ではありません。
鍼の古典な打ち方に遠道刺、巨刺という方法があります。
それぞれ、『上の病は下でとり、下の病は上でとる(遠道刺)』『右の病は左でとり、左の病は右でとる(巨刺)』というやり方です。
また、身体均整法には自律系は運動系でとり、運動系は自律系でとるという鉄則があります。
これらのことから、「効果的に治すなら、正反対の所を治療する」という原則が浮かび上がってきます。
ということは、心を治すには、体からアプローチするのが早道だということです。
実際、体に余裕がないときには心にも余裕がなく、自分しか見えていないことが多いのではないでしょうか。
冷え取りで、靴下重ね履きや半身浴など、身体からアプローチしているのは理に適っているのです。
同じく、身体からのアプローチとして、冷え取りを実践している治療家にかかることも非常にいい方法だと思います。
メリットとしては
①自分では気づかなかったコリ・歪みを見つけてもらえる。
②今やっていること(冷え取り)を肯定してもらえる。
③ちゃんと診てもらっているという安心感。
④冷え取りについての勘違い、思い込みを訂正してもらえる(大きくズレていないかのチェック)
⑤キチンとやろうとする動機づけになる。
などです。
最後に、
「治りたい」「楽になりたい」と願って行う冷え取りは偽善である
だから激しい瞑眩に苦しみ、不安と焦りを抱き
それが新しく「冷え」を作るのでキリがない。
「正しい生き方なのだから」と黙って冷え取りして
瞑眩は「毒が出ていく」と喜んでいればいいのである
と心から素直に思えるような身体を一緒につくっていきたいと思っています。
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